令和元年第四回12月議会 一般質問

令和元年第4回(12月)岬町議会定例会第1日会議録

○奥野 学議長

次に谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 谷﨑です。3点ほど質問したいと思います。

新しい事案を受けまして、庁内の組織編成の件が1点と、森林環境譲与税の活用の件1点と、庁内の外郭団体の必要性、専門職の委嘱の件について1点伺いたいと思います。

みさき公園に関するプロジェクトチームの必要性ということで、来年3月まで、また来年4月以降、町の取組事案として公園事業の対策が都市整備部、総務部、まちづくり戦略室、また交通関係で対応が横断的に必要になってくるのではないかと考えております。

現在でもいろいろサウンディング調査や総務的な対応とかの件でいろいろ各部門にそれぞれ一時的に偏った仕事量が増加しているというように思うのでありますが、横断的な対応ができる一元的なプロジェクトチームのような組織体制の組み立て等は新しい事案に対していかがお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。

○奥野 学議長 総務部長、西 啓介君。

○西総務部長 お答えさせていただきます。

みさき公園の件につきましては、これまでも議会のほうへ報告をさせていただいておりますが、南海電気鉄道株式会社は来年3月末をもってみさき公園事業からの撤退を表明しており、町は南海電鉄に対しまして公園存続のため後継事業者を探すことを求めてまいりました。

南海電鉄は公園運営に関心を示した複数の事業所と交渉を進めてまいりましたが、条件面で折り合いがつかず、後継事業者が見つかっていない状況となっております。

みさき公園につきましては、岬町が開設する都市公園でありますので、南海電鉄が撤退したとしても都市公園として町がみさき公園を存続させていく必要がございます。

現在の動物園や遊園地を有する公園を町が南海電鉄にかわり運営することは財政的にも困難でありますので、現在の公園にかわる新たな公園づくりに取り組むことが必要となってまいります。

現在、都市整備部でサウンディング型市場調査を行い、公園活用の提案を広く求めているところでありますが、新たな公園づくりについては本町の大きな課題でありますので、全庁的に取り組んでいく必要があると認識しております。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 現在、みさき公園は公園の存続という、公園に使用するという条件で南海から無償で町が財産譲渡を受けるべく交渉中であると聞いております。

ということは、来年からは確実にみさき公園に関する事業についての新しい業務が庁内に増えてくるという形になるかと思います。

これに対して、町長のお考えはいかがでしょうか。

○奥野 学議長 町長、田代 堯君。

○田代町長 谷﨑議員の質問にお答えいたします。

今、担当からるる南海の閉園についての答弁をさせていただきました。

この問題については、昨年7月に社長が直においでになって、閉園の申し入れがあって以来、急遽、我々は数名の幹部でこの話を受けて、今後の策を今、考えているところなのですけども、長年やってきた南海電鉄さえ、この公園事業に撤退をしなければならない、そういう大きな問題を抱えておったということについて、それを町が今後南海にかわってすぐさま続けてやるということについてはいささか問題があるかな、このように思います。

まず、私は南海から土地の無償譲渡を受けて、そして都市公園を守っていくということが一番大事でなかろうかなと。

今は、南海の所有物でありますので、南海が岬町に譲渡しない限り公園事業としては難しいのかなと、私はこのように思っております。

しかし、南海の社長との会話の中では、一応いろんな条件もあるけども、そういった条件を協議しながら岬町に土地を譲渡して公園を続けてほしいという意向は社長自身も言っておられるので、この件については私どもも引き続き公園の準備を今進めたところであります。

しかし、この公園については、先ほど担当部長から、動物については非常に今経費がかかっているし、非常に公園事業をやっていくには難しい問題がある。それには多くの方々の意見を聞いて、町民の方には今年の5月のタウンミーティングで十分話はさせていただいておりますし、経過については岬だよりで報告をさせていただいております。

そういったことから、閉園についてはある一定のご理解はしていただいているものと思っておりますけども、津々浦々までそれが伝わっているかということはちょっと自信のないところですけども、一応、みさき公園が閉まるということについては住民の皆さん方は口伝えにご理解をしていただいているのかなと思っております。

そういったためにも、長年岬町のシンボルマークであったこのみさき公園の火を消さないように、精いっぱい庁内でプロジェクトを立ち上げてこの問題に全力を挙げて取り組んでまいりたいと、この気持ちで今取り組んでいる最中であります。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 ありがとうございます。

みさき公園の土地の取得については議員の半数近くが町長の姿勢を支持しているところでございます。

南海から民間に渡りまして、突然閉鎖されるというような事態が起こらないように、ぜひ町のほうで土地を取得されるようお願いしたいと思います。

また、それにあわせてプロジェクトチームでは、その後5年、10年後、地目の変更、指定の変更も検討した上で、将来を見据えた町の計画を立てて、公園を利用した町の計画を立てていただきたいと思います。

ありがとうございます。

次に、森林環境譲与税の活用の件についてですが、森林環境譲与税については森林土地所有者の義務と所有者からの町への委託とか、町からの森林業者への再委託とか、あるいは誰も管理し得ないところの町による公的な管理ということが規定されておると思います。

この森林環境譲与税についての現況をまずお聞かせ願いたいと思います。

○奥野 学議長 都市整備部理事、吉田一誠君。

○吉田都市整備部理事 谷﨑議員のご質問にお答えさせていただきます。

森林環境譲与税ですが、地球温暖化対策として温室効果ガス、排出削減目標の達成や災害防止を図るなど、森林整備等に必要な財源を安定的に確保することを目的に、国民一人ひとりが負担を分かち合って森林を支える仕組みとして創設されております。

次に、この税の賦課徴収につきましてですが、国内に住所を有する個人に対して、令和6年度から1人年額1,000円が個人住民税とあわせて賦課徴収されるものとなってございます。

なお、徴収された税につきましては、その歳入額の9割が市町村、残り1割が都道府県に交付されることとなってございます。

一方で、税の交付につきましては、賦課徴収に先立ちまして、令和元年度から開始され、令和5年度までは平年度ベースの約3分の1の額が交付される暫定措置が設けられております。

次に、交付される税の譲与基準でございますが、譲与基準につきましては、私有林の人口面積割、林業就業者割、人口割と三つの基準が設けられてございます。

算出方法といたしましては、森林環境譲与税の総額を先の三つの譲与基準ごとに全国ベースの数値を分母に、市町村の数値を分子として按分計算し、合計したものがそれぞれの市町村の森林環境譲与税の交付額となるものでございます。

ちなみに、令和元年度の本町の交付額はおよそ188万9,000円程度となってございます。

なお、森林就業者につきましては国勢調査による数値が基礎となっており、本町の林業就業者は現在1人となってございます。

議員のご質問の中にありました林業従事者の増加がここに与える影響としましては、国の予算額譲与基準などに変動がないと前提した場合には、林業就業者が増加した場合は森林環境譲与税の増額要因となってございます。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 すみません、今後数年で数倍の額になると、今200万円弱が600万円、何百万円になるという税金は現在積み立てておられると聞いておりますが、これに対して、使用基準、利用基準を設ける必要があるのではないかと考えております。

間伐材利用の特産品づくり、あるいは土産物づくり等々、そうしたものに対する利用が可能であるのかどうか。あるいは、どういう申請をすれば利用ができるか。それはどういう条件で上限設定できるかということをお聞かせ願いたいと思います。

○奥野 学議長 都市整備部理事、吉田一誠君。

○吉田都市整備部理事 お答えさせていただきます。

市町村に交付されました森林環境譲与税の使途につきましてでございますが、間伐などの森林整備に加えまして、人材育成や担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発などの森林整備に必要な費用に充当することが示されてございます。

現在、森林を取り巻く環境は、国産木材の価格低迷に伴う低所得状況や、高齢化に伴う担い手不足など厳しい状況に置かれておりますが、今般の森林環境譲与税を一つの契機といたしまして、森林整備を支えていくとともに木材利用や普及啓発の取り組みを進めてまいる必要があります。

本町におきましては、現在は一定の財源を確保することを目的に基金に積み立てをしているところでございますが、議員ご提案の地域木材を活用した特産品づくりにつきましては、町内でそのような創業を希望する事業者等がございましたら、森林環境譲与税を原資といたしまして必要な支援が行えるよう、規則や要項の整備をしてまいるとともに、人材育成や担い手の確保の検討も進めてまいりたいと考えているところでございます。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 ありがとうございます。

既に、竹原議員とかいろいろ相談をしたのですけど、こういうことを考えていらっしゃる団体もいらっしゃるようです。

ぜひとも、基準を公表いただいて、どのぐらいまで使えるかとか、明確にしていただきたいと思います。

次に、町おこしに関する団体の検討ということで、公的な地位を持つ団体が必要ではないかということでございます。

公園事業や不耕作地や空き家対策などの事業が実施されておりますが、賃貸借について、一括の受け皿となる信頼できる団体が必要ではないかと。

やはり、所有者から利用したい者に貸す所有と利用の分離をうまく進める受け皿団体が必要ではないかという考えでございます。

町の、かつて公社というのは非常に評判が悪かったのですけども、やはり公社についても見直しの機運というのがあるようにも聞いております。

まず第一に、庁内の自前主義は当然という時代ではなしに、外化の時代、専門的な職能集団を育てるということが一つ、公団とか外郭団体で必要ではないかなと思っております。

また、人手不足でありまして、庁内の人手ではいかがなものかと。

あるいは、また人事異動などで持続可能というのですか、長きにわたって専門人材を庁舎内に持つというのがかなり難しい状況ではないのかなと思っておりまして、そうした専門職能的なものを庁外に外郭団体として持つことも必要であるし、またOBの活用にもなると考えます。

これによりまして、公的な支援のある公的な団体として、法的な信頼のある団体として利用者と使用者、所有者の所有と利用を分離できる団体をつくっていく必要があると、将来的になると思いますが、こういうことによっていろんな、さまざまな事業や補助金事業、会計は別ですが補助金利用や耕作地、空き地対策などもそういう専門職能によって管理していくことができるのではないかと思いますが、お考えいかがでしょうか。

○奥野 学議長 総務部理事、寺田武司君。

○寺田総務部理事 谷﨑議員のご質問にお答えいたします。

議員ご指摘のとおり、本町のまちづくりにおいては多くの地域課題がございます。

このような地域課題の解決にあたっては、近年NPO法人やまちづくり会社などの組織が市町村と連携し、地域住民に近い立場、いわゆるコーディネーターとして課題解決に向け取り組んでいる事例が多く見受けられます。

例えば、隣接する和歌山市では、都市再生推進法人による取り組みを行っております。

これは、空き家や地域活性化などの地域課題に対して一定ノウハウを有するまちづくり団体に対し、公的な位置付けの付与や支援措置を講ずることで、行政等では十分に果たすことができないまちづくりのコーディネーターやまちづくり活動の推進主体の役割を担わせていくものです。

また、三重県の尾鷲市では、地域おこし協力隊員が地域への移住定住、空き家の利活用をサポートするNPO法人を立ち上げ、行政にかわってコーディネートを行っております。

このNPOは、地域おこし協力隊の任期終了後の受け皿ともなっており、まちづくりにおいて大きな役割を果たしております。

本町においても、和歌山市や尾鷲市など先進事例を参考に、町づくりエディター等と連携しながら地域課題に対応でき、また、あわせて住民が信頼できるコーディネーターとしての役割を担う組織づくりについて検討してまいりたいと考えております。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。谷﨑議員、質問のとき、もう少しゆっくり言っていただいたほうがテープ反訳しやすいと思いますので、よろしくお願いします。

○谷﨑整史議員 すみません。

外郭団体というのは、非常に先ほども申し上げましたように、かつて天下りとか非常に悪いイメージがあるのですが、現在はいろいろ関係される方、あるいは今もご指摘のあったエディターさんとか、専門職能の方、あるいは、そういう方、あるいはまた公的な位置付けをすることによりまして、より所有権者の信頼を得て、一括して土地なり家屋なりを借り上げて、その公的団体の裏付けがある上で転貸するということで、所有と利用を分離してうまく融通がきいていくのではないかなと、転貸とか土地利用、空き室利用が進んでいくのではないかなとも思っております。

また設計とか、そういう専門職についても、そういう外郭団体を利用するほうがより直営人員を確保するよりも有効ではないかなとも考えておりますので、それが一つの世の中の趨勢ではないかなと思っております。

一番申し上げたいのは、所有者の所有と利用者の利用を分離して一括して公的に支援する団体が必要であり、そういう団体を育てていく体制が必要であると考えておりますので、いかがお考えでしょうか、町長は。

○奥野 学議長 町長、田代 堯君。

○田代町長 空き家、休耕田、そういう対策の受け皿を今、担当のほうではまちづくりエディター等を含め、NPO等も含めてという話をさせていただいているのですけども、やはり、今、議員おっしゃるのは、やはり一括してその受け皿になってくれる、そういう団体を一つ町の受け皿にしたらどうだということをおっしゃっているのかなと今聞いていてそう思いましたので、そういう方向でも一応検討をしてみたいと、このように思っております。

○奥野 学議長 谷﨑整史君。

○谷﨑整史議員 ありがとうございました。